那須ジャーナル

2019.10.11

第6回 畑で夏野菜を収穫!有機の農法で大切な『ぼかし』とは?

(取材日:8/7)

今年の梅雨は本当に長かった。「リゾナーレ那須の畑は大丈夫だろうか」と、天気予報を見るたびに思っていたが、そんな心配は無用だったようだ。梅雨明けから10日ほど。野菜はスクスクと成長し、青々とした畑は生命力にあふれている。

「晴れた日には、一日でも見違えるほど大きくなるので驚きます」と畑チームのメンバーは口をそろえる。畑ではズッキーニや唐辛子が収穫を迎え、ピーマンも間もなく収穫といったところ。珍しい黒いピーマンは『浜クロピー』という品種。一体どんな味わいなのかと気になる。

秋に収穫予定の『ニンジン』は、小さな芽を出していた。「11月の開業時には、収穫体験ができるといいなあ」と、畑チームでは、期待に胸を膨らます。

そして、畑でひときわ目を引くのがアーチ状になった支柱だ。「来年に向けて、カボチャのトンネルを作ってみよう」と皆で試行錯誤しながら建てたものだ。

アーチを作って2週間、カボチャのツルは伸び、ひょうたん型のピーナッツカボチャが、ぶらりと揺れる。ディレクター松田さんは「イメージした通り!」と喜び、カメラを向ける。どこまで大きく立派になるのか楽しみだ。

一方、ビニールハウスでは、春に収穫するキャベツとブロッコリーの苗が、畑へ定植されるのを待っていた。キャベツの類は育てるのが難しく、ドキドキしながら見守る日々が続きそう。その傍らには、ケースに入った粉状のものが置かれている。

「これは『ぼかし』と呼ばれる有機の農法で使う肥料です。米ぬか、麦がら、もみ殻やそれを炭状にしたものなど、自然の有機物を混ぜ、水を加えて作ります(畑チーム小鷹さん)」。促され触ってみると、ぽかぽかと温かい……いや、熱いといった方がいいかも。一日一回混ぜて空気を含ませることで発酵が進み、熱を発するという。2~3週間で水分が抜け、サラサラとした粉状の「ぼかし」が完成する。

手間はかかるが 有機の農法では『土』が大切だ。良い土壌を作る為に欠かせない『ぼかし』は、作物の命の源といってもいい。リゾナーレ那須では、気軽に畑仕事を体験できる「ファーマーズレッスン」を毎日開催する。季節や天候で内容はかわるが、「ぼかし作り」もレッスンに登場する予定だという。

収穫までには、多くの工程があり、人の手もかかる。リゾナーレ那須での滞在は、楽しいのはもちろん「なかなか目にすることはない大切なこと」を学び、農業や生産者、あるいは自然環境に関心を持つ機会にもなる。食に関する学びは自身の健康管理にも重要だ。子どもはもちろん、大人の旅育にもなりそうだ。

文:村田 和子