那須ジャーナル

2021.04.06

プロローグ 子どもたちに豊かな未来を~お米の学校2021始動

リゾナーレ那須で出迎えてくれたのは、懐かしいスタッフの笑顔と変わらぬ自然の営み。 空には美しい那須岳の姿、足元には多くの新しい命が芽吹いている。アグリガーデンでは、これから作付けされる苗たちが、出番をいまかいまかとまちわびていた。

作付けされる苗

開業二度目の春を迎え、リゾナーレ那須では新たなプロジェクトが動き始めていた。舞台は、リゾートが誇る原風景を彩る「田んぼ」だ。

田んぼの風景

リゾートの開業に先立ち「この美しい景観で育ったお米をぜひ提供したい」と飼料米を栽培していた農家さんを説得し、有機の農法での稲作を始めたのが2年前のこと。お客様と共に稲作に挑戦する新プロジェクト「お米の学校2021」は、それに続く新たなステージへの第一歩となる。

春から秋までの全5回、田植えや収穫だけでなく、種まきや田んぼの手入れ、収穫後の脱穀なども行う。農業から社会を変えようと奮闘する稲作本店(farm1739)の井上敬二朗さん・真梨子さんご夫妻も本プロジェクトに加わり、ゲストスピーカーとして参加者と触れあうという。体験にとどまらず、日本の農業や農家のリアルを知り、収穫したお米を美味しく食するまでの「お米の一生」に寄り添うという点で画期的な取り組みだ。

井上さんご夫妻とスタッフ集合写真

「魅力的な生産者と消費者をつなぎ、農業を通じて地域を元気にする」というアグリツーリズモリゾートとしてのビジョンに向かい、多くの人を巻き込み前進するスタッフの姿も頼もしい。

先日の会議風景

コロナ禍で私たちは、「当たり前が、当たり前ではない」と気づかされた。毎日のように食卓にのぼる身近な存在の「お米」も、背景では複雑な事情を抱え、容易に成り立っているわけではないという。
田んぼを五感で味わい、生産者の思いに触れることは、そういった背景を知り、日常で繰り返されるさまざまな選択の「軸」を見つめなおすことにも繫がってゆく。

田んぼのいきもの

「お米の学校」が、楽しみながら「自分たちの選択や行動が、環境や将来へどうつながるのか?」へと想像の翼を広げ、親子で語り合う機会になることを願って。
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お米の学校2021に密着、レポートをしていきます。

文:村田 和子