那須ジャーナル

2019.09.19

第1回 「リゾナーレ那須」へ初訪問。なんとオフィスは!?

東京から東北新幹線で約1時間、あっという間に那須塩原駅に到着。木々が織りなす美しい緑のトンネルを抜け車で30分ほど。那須観光の中心エリアからは少し離れた静かな森に「星野リゾート リゾナーレ那須」は佇んでいた。リゾナーレブランドの施設開業は、実に5年ぶり! 八ケ岳(山梨県)、トマム(北海道)、熱海(静岡県)に続く、4つ目のリゾナーレとして、この「那須」の地に今秋誕生する。

42,000坪の広大な敷地には、森の中に建物が点在し、橋を架けるなど大掛かりな土木工事も進められている。建物は内装にも着手しており、引き渡しは7月末の予定だ。
昨年12月にリゾート開発の担当として着任したのは、総支配人の中瀬さん、広報担当の東谷さん、紅一点、宿泊支配人の松田さんの3名。仕事をスタートしたのは、なんとコンテナ製の小さな仮事務所だったという。
「冬場は寒さが堪えました。でも開業後すぐにやってくる冬の様子は見ておきたかったし、新しいリゾートの在り方を考えるのには、現地に身を置くのが一番。なにかあれば自分の目で確かめられますから。そんな中で「アグリツーリズモリゾート」の構想も生まれ固まっていきました」と、広報・東谷さんは振り返る。

7月1日に新しい仲間を迎え、14名の所帯となった現在の仕事場は、開業後には農業体験の拠点となる「グリーンハウス」だ。
ビニールハウスの類としては立派な造りだが、パソコンで資料を作り、会議もする様子には、ちょっとびっくり。聞けば引き渡しまでは建物の中に入れず、1か月の限定のオフィスなのだという。7月だが雨の日は冷え込み、ストーブで暖をとるなど不便も多そう。
でも……天候や気温を肌で知り、雨や土の匂いを感じ、会議で煮詰まれば、鳥のさえずりが響き渡る(いいアイデアが生まれそう!?)。自然との一体感があり、アグリツーリズモリゾート創造の場としては、これ以上ない絶好の環境ともいえそうだ。

自ら手を挙げて全国から集ったスタッフは、経験や年齢もさまざまで、数日前に顔合わせをしたばかり。リゾートの根幹となるサービスを考える「魅力会議」では、それぞれの持つノウハウや思いから、積極的に意見交換がされる。星野リゾートには、4つのブランドがあるが、サービス方針や具体的な施策は異なる。話し合いを通じて、ひとつずつ丁寧にすり合わせ、距離が縮まってゆくようだ。

和やかな雰囲気だが、ぎこちなさもある様子を、温かく見守るのは総支配人の中瀬さん。スタッフの自由な発想やコミュニケーションを最大限に生かしながら、必要なタイミングでは冷静なアドバイスも欠かさない。開業に向けて、これからどんどん仲間も増えていく。スタッフ、そしてチームが、リゾートの立ち上げを通じてどう育っていくのか、大いに楽しみだ。

文:村田 和子