那須ジャーナル

2019.09.20

第2回 農業体験ゼロからの挑戦!アグリツーリズモリゾート始動!

リゾートの田畑では、スタッフの「アグリツーリズモリゾート」創造への挑戦が既にはじまっている。荒れた土地を自ら整備した畑には、なすやオクラ、ズッキーニなど夏野菜を植え、施設がオープンする前に一度収穫、お客様に提供する体験プログラムなどのデモンストレーションも試みる計画なのだとか。

畑の世話を担うスタッフのほとんどが、農業経験はゼロ。週に一度、「完全循環型農法」というこだわりの有機農家を営む農家さんに弟子入りし、農作業を手伝いながらレクチャーを受けている。必要となるスキルは実地で身に着けるのが星野リゾート流のようで「今では耕運機の操作もバッチリ!」というスタッフも多いとか。

リゾナーレ那須の美しい原風景を担う田んぼでは、所有者の農家さんの協力を得て、有機農法による米作が始まっていた。「もともとは国の補助金がある飼料米が作られていたんです。でもこの美しい景色を見たら、ここで採れた米を食べたいと思いますよね。我々もお客様にぜひ提供したい。アグリツーリズモリゾートの構想や、そんな思いを農家さんに伝え、一緒に取り組むことになったんです。(総支配人・中瀬さん)」

その農家さんにとっても、無農薬での米作は初めての試みで、「田んぼにいるカモや、おたまじゃくしが、例年より元気だ」と驚いているそう。農薬を使わないため、生き物や雑草が多くなる。でも困ったことに、雑草が生えるスピードや量が想定外で「雑草が元気すぎる問題」が勃発中。リゾートで提供できるほど収穫があるのか?など、未知数なことも多い。

「やってみないとわからない、試行錯誤の連続です。幸いにもこの地は、自然環境が素晴らしく、一帯に住む人も魅力的。その営みやこだわりのあるライフスタイルも、アグリツーリズモリゾートに通じるものがあり、地域との連携も将来に向け積極的にしていきたいですね。現在の心境は、ワクワクとドキドキが半分半分。まずは自ら耕した畑の作物がどうなるか。無事に育って収穫できるのを楽しみにしています」と中瀬さん。

この日はあいにくの雨模様で、7月だというのに肌寒い。標高が高いのはもちろんだが、全国的に今年は気温があがらない日が続いている。農業を軸にした体験がコンセプトだけに天候の心配は尽きない。

スタッフの「アグリツーリズモリゾート」への挑戦は続く。

文:村田 和子