那須ジャーナル

2019.09.20

第3回 看板の設置完了!アグリツーリズモらしいおもてなしとは?

開業まで3か月。施設の入口には「星野リゾート リゾナーレ那須」の看板が設置され、施設を歩けば「あれ、こんなところに扉ができている」「案内板が新しい!」とスタッフが驚く。開業に向け工事も着々と進行中だ。

新たに9名を迎え入れ、仲間は23名となった。8月後半には、中途採用を含むメンバーも加わり、開業に向けオペレーションのトレーニングが始まる。星野リゾートでは、個人の裁量に任せられることが多いが、それゆえ根本にある考え方やサービスの「核」となる事項の共有は、必要不可欠だ。特に「アグリツーリズモリゾート」という新しいコンセプトと、自分の仕事とのつながりを理解することは、モチベーションやサービスの質へダイレクトにつながる。

前回の訪問から3週間、「アグリツーリズモリゾートとは?」「コンセプトをどのように具現化するか?」を、チームごとに(時にチームの垣根を越えて)、丁寧に討議を重ねたという。導き出したサービスの「核」となる事項は、イメージマップを作り、これから仲間に加わるメンバーへも共有できるように準備が整えられていた。

フロントチームでは、アグリツーリズモらしさを追求しつつ、不安の解消、気持ちの切替えなど、顧顧客視点で気になることを確認しながら、サービスをブラッシュアップしていた。この日は、非日常の世界へ後押しをする「チェックイン」のロールプレイングを、実際のフロント(※正確にはフロントになる場所。カウンターの設置もこれからだ。)で行い、改善点などを確認。広大な敷地に客室が点在するため、客室への案内や導線も複雑で、説明やケアすべき事項も変わる。やってみると想定外の問題もあったようだが、真摯に向き合うチームの姿に「きっと大丈夫」と確信する。

アクティビティを担当する魅力創造チームでは、開業時に提供する秋のプログラムやクリスマスイベントなどを計画中。聞いているだけで、楽しそうな親子の姿が目に浮かぶ。頻繁に「タネポイントは?」という確認が入るが、これは「訪れたお客様にリゾナーレ那須で新たな発見をして欲しい」という思いを、農業にあやかり「種をまく」と表現。それぞれのプログラムでどんな発見(=種)があるのかを意識しつつ企画をすすめている。

畑の運営や体験を担う畑チームでは、「体験=収穫」だけではなく、リアルな農家の営みや思いを伝え、体感してもらうための施策を検討中だ。「体験を通じて、農業そして生産者へ興味を持って欲しい」と、畑チームの赤川さんは語る。

やっと夏らしい気候になったが、暑さにスタッフの熱意も加わり、ビニールハウスの仮オフィスでは、送風機がフル稼働! こんな光景もいつか懐かしく思い出される日が来ることだろう。

文:村田 和子