那須ジャーナル

2019.10.18

第7回(後編) 自然と調和し、四季を感じる。リゾナーレ那須の客室とは

(取材日:8/22)

別館へは、新しい施設「POKOPOKO」を眺めながら橋を渡り、くねくねと曲がった道にいざなわれるように到着する。客室までのアプローチは、ちょっとした冒険気分で、自然と気持ちが休暇モードに切り替わる。

「ミナモフォース」「ミナモトリプル」という名の通り、客室は水庭を望み、那須に咲く花をイメージしたシックな「赤色」をベースに、洗練された空間が広がる。大人3名、4名で利用ができるので、家族はもちろん、気の合う仲間と滞在するのにも重宝する。

見上げれば天井には立派な梁が通り、天窓から木々の緑がのぞくのも心地よい。そしてリビングの大きな窓一面に広がる水庭には、木々の影や、刻一刻と変化する空の様子が映し出される。雨の日も、雨粒が水面に描く弧が重なり、まるでアートのように美しい。水庭を介して自然の営みを感じる奥ゆかしさは、わび・さびの世界観に通じるものがあり、眺めていると心が穏やかになってゆく。

実は本館・別館と分けてはいるが、それぞれの中でも、設備や間取りは個々に異なる。自然と調和するベストな環境を……そんな作り手のこだわりや愛情が随所に感じられるようだ。今回、建築のよさを生かしつつ室内のリノベーションを担当したのは、リゾナーレ八ヶ岳やリゾナーレ熱海の客室も手掛ける建築ユニット「クライン ダイサム アーキテクツ」だ。上質な中にも遊び心を感じる、リゾナーレらしいテイストが踏襲された魅力的な空間となっている。

アグリツーリズモリゾートの柱のひとつ、客室は準備が着々と整いつつある。ただそれぞれが個性を持つリゾナーレ那須の客室は、案内や清掃など、運営面の負荷や難易度は高いという。まもなく業務のトレーニングが始まるが、開業までの2ヵ月間、応援しながらスタッフの奮闘を見守りたい。

文:村田 和子