那須ジャーナル

2019.10.18

第8回 POKO POKO誕生秘話。思いが詰まった集いの場

(取材日:9/23)

リゾナーレ那須の入口からフロントへと向かう途中、童話に出てきそうなかわいい建物が目に入る。「POKO POKO(ポコポコ)」は、アグリツーリズモリゾートを体感できる集いの場で、アクティビティの申し込みや開催場所にもなる、リゾートの肝となる施設だ。最初に訪れたのは7月、橋などのランドスケープの工事が行われ、建物に近寄るのも難しいほどだった。開業まで1ヵ月半となり、足場も外れ工事も終了、ようやく全貌が明らかになった。

POKO POKOは、山が連なったような、文字通りポコポコとした、曲線が美しい屋根が特徴だ。独特の世界観を醸し出す建物へ橋を渡り近づけば、「何かが始まりそう」という期待感に、大人も童心に返ってワクワクする。設計・デザインは、客室のリノベーションと同じく、建築ユニット「クライン ダイサム アーキテクツ」によるものだ。

「長年リゾナーレのデザインをクライン ダイサム アーキテクツにお願いをしていますが、多くはリノベーション案件。今回のPOKO POKOは設計を一からお願いしています。」と広報の東谷さん。デザイナーのアストリッド クラインさんは、設計から自由に表現できることに大喜び。張り切って作品に取り組んでいたという。ガラス張りの明るい館内へ入ると、正面は石釜を備えたキッチン、右手は森の中にいるような心地よいBooks&Cafeのスペースとなっている。

石窯で焼き上げる「ピッツァづくり」は、ランチタイムのアクティビティとして登場予定だ。

入って左手は、ナーサリーとボールプールがあり、天井へとアスレチックのようなネット遊具が伸びる。登った先の天窓からは空を望み、遊び心と夢がつまった施設に、子ども達の笑顔が重なるようだ。

屋外に目を向ければ、焚火スペースやベンチが配され、すり鉢状の広場の真ん中には高さ10Mの立派なモミの木がそびえる。初めて訪れた夏の日、「シンボルツリーとしてモミの木を植えたいと思っているんです。クリスマスなど素敵だと思いませんか?今いろいろと手を尽くして探しているところです」と中瀬総支配人が目を輝かせていたのが懐かしく思い出される。幸いにも那須エリアいう近場で縁があり、この地に植樹をしたという。周りと調和し順調に育つ姿に、早くもシンボルツリーとしての風格を感じる。

そういえば魅力開発チームで「アグリツーリズモらしいクリスマス」の企画を立てていたが、その後どうなっただろうか? モミの木を舞台にしたユニークな企画もあったように記憶をしているのだが。リゾナーレ那須の冬は、雪が降り神秘的な光景が広がるという。天然のモミの木をツリーに、ホワイトクリスマスというのもロマンチックに違いない。

冬の訪れの前には、燃えるような紅葉に、アグリツーリズモリゾートとして重要な収穫の秋がやって来る。子どもも大人も忘れられない思い出の地に、リゾナーレ那須がなりますように。

文:村田 和子