那須ジャーナル

2019.10.25

第10回 「グリーンハウス」が完成。畑は収穫を待つばかり!

(取材日:10/14)

台風19号の被害が伝えられる中、那須塩原へ。「スタッフは無事とのことだが、施設や畑は大丈夫だろうか?」と心配したが、折れた小枝の撤去をしている他は、いつも通りで胸をなでおろす。早速、完成したばかりの「グリーンハウス」の見学へ。ここは手軽に農業や農家の暮らしに触れられる施設だ。

敷地の一番奥、畑の横に佇む2つの「グリーンハウス」は、緑と白木のストライプというお洒落な外観。アプローチにはリゾート内にあった橋の廃材が用いられ趣を添える。実は取材を始めた当初、オフィスだった「あのビニールハウス」(※1)なのだが、綺麗になって見違えるようだ。

入り口には、農具やレンタル用の長靴・軍手が、「見える収納」で美しく整えられている。ハウス内の畑には、ミニトマトがたわわに実り、中には黄色いひょうたん型のトマトなど、変わった品種も多い。

「最初は実がならなくて焦りました。調べるとビニールハウスで育てる場合は、人工的に受粉が必要だったんです。」振り返りながら、畑チームの林さんは、ぽんぽんと花を指ではじいて揺らしてみせる。屋外では、このように風や虫の助けで自然に受粉が進むが、ハウス内はそうはいかない。自然の偉大さに改めて感心する。

奥のグリーンハウスにはハーブが植えられ、中央にはウッディなテーブルが配されている。「ヒンメリ」という、むぎ藁を使った豊穣祈願のクラフトや、自分でブレンドするハーブティーなど、開業に向けた準備も万端だ。ゼロから構想を練る姿を見守ってきただけに、こうやって形になると感慨深い。「まだまだこれから。どんどん進化しますよ!」と赤川さんを初めとした畑チームは、どこまでもたくましい。

外の畑に目をやれば、育てるのが難しいというキャベツも大きく実り、人参も収穫の時を迎えている(※2)。畑に携わった多くのスタッフも手ごたえを感じていることだろう。愛情をかけた分、しっかり応えてくれた畑に「ありがとう」と御礼を言いたい。

開業まで2週間となり、明日からはサービスチェックが始まるという。緊張気味に準備をするスタッフにエールを送り、リゾナーレ那須を後にした。今までの頑張りがどのように実を結ぶのか……お披露目となる日が楽しみだ。

文:村田 和子

※1 第1回 「リゾナーレ那須」へ初訪問。なんとオフィスは!?
※2 第6回 畑で夏野菜を収穫!有機の農法で大切な『ぼかし』とは?